米医学誌ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)で、深刻な栄養失調に陥っている子供に、抗生物質を投与しても効果がうすいことがわかった、という調査結果に関する論文が掲載されました。

ニジェールで栄養失調状態にある生後6か月~5歳までの子ども約2400人を対象に行われた研究の結果、栄養状態が改善していない状態で、抗生物質を投与したグループと抗生物質を投与しなかったグループでの効果の違いをみたところ、効果に差がほぼなかった、というものです。
ちなみに、この研究において、8週間の調査期間中に食欲が戻り、WHOが定める体重身長比が示されたケースを「回復」と定義した、としています。

1999年、WHOは飢餓状態にある子供たちの生命を守るためには、抗生物質を投与すべきであると勧告していますが、今後は他の様々な統計や調査結果も踏まえた上で、抗生物質などの薬剤よりも、まず先に栄養改善を優先させるなど、すこし対策を変えていく必要があるのかもしれません。

近年、日本でも、過剰な抗生物質投与に関しては、だいぶ見直されつつあります。抗生物質の利点と欠点をよく理解した上で使用する必要があることを患者側も認識しはじめたところでしょう。
このニュースでは、極度の栄養飢餓状態にある地域での調査結果であるため、必ずしも日本の条件に合わないかもしれませんが、薬の使用には、それを活かせる代謝能力があったほうが効果的であることは想像できます。

生きる力は、薬からではなく、やはり食べ物からしか得られないのかもしれません。

参考:AFP通信(http://www.afpbb.com/articles/-/3075724)
資料番号:[EN_ELT_2]