海に流されたゴミ、たとえばゴム製のものなどが体に絡み、身動きが取れなくなっている生物の姿を、テレビを見る人なら一度は見た事があるでしょう。人間の手を離れたゴミが、生物の命を脅かしていることは、今や誰しも認識していることだと思います。

プラスチックは比較的安定した素材ですが、しかし、炎天下や、あるいは塩分濃度の高い海水内では、劣化が早まります。海に放たれたプラスチック製品は、やがて製造された際の姿を留めなくなり、粉々に細かくなっていきます。最終的にはプランクトンと同じレベルのサイズにまで小さくなるといわれており、これを海洋生物がエサと一緒に体内に取り込んでしまうと考えられています。

大きなゴミであれば、海洋で生物の命を脅かすところで終わっていたものが、小さなプラスチックゴミは生態系の中に自然に取り込まれ、濃縮され、やがては人間の食生活にもあがってくる可能性があるのです。小さなプラスチックゴミから出る化学物質が魚の体に濃縮され、それを食べることによって人間の健康を脅かすようにでもなれば、私たちは遠洋で取られた魚を口にすることができなくなるのです。

生活製品のほとんどにプラスチック材が氾濫する現代社会で、今後、どのようにプラスチックを減らし、また管理するのか。温暖化抑止とともに、急がれる課題です。

資料番号:[EN_ELT_3]