ところで、皆さんは宇宙から地球をみた姿を、本やテレビなどで一度は見たことがあるでしょう。海の部分は青、そして、雲がかかっていたり、氷で覆われているところは白、陸地には茶色と緑が混在した、実に美しい星です。なかでも、強い青の色は、他の星にはない大きな特徴だと言えるでしょう。このように現在も多くの水を液体の状態で保持している星は、太陽系においては、地球だけ(1)です。

実は、地球以外でも、海の痕跡をもつ惑星はあります。しかし、星が海をもち続けるには、多くの条件が必要で、この条件が成立しなければ、一時的に海が形成されても、結果的には水を保持し続けられず、宇宙空間へと奪われてしまいます。

地球が他の星と違ってもっていた条件とは、この水分子を大量に作るだけの材料があったことと、さらに液体の状態でいる水を捉えていられる条件が揃っていたことが挙げられます。具体的に挙げれば、それは太陽との距離や、地球のもつ温度や質量など、地球特有の様々な条件です。

これらの条件によって、液体でいる水は地表にたまり、また蒸発した水は気体となって大気中にあがり、大気の上部で冷やされると、また液体の水にもどって雨になって地表におちる、という、常に水を保持し、循環する地球環境が出来たのです。


さらに、地球は水だけでなく、多くの物質をダイナミックに循環させるシステムも持っています。それは、海から覗く陸地の存在によって成立しています。
陸は、もともとは地球の内部で活動するマグマが火山活動で地表に現れ、冷やされたものです。地球は岩石タイプの惑星であって、鉱物をはじめとする多くの成分のかたまりですから、地表として表れた部分にも多くの成分が含まれています。ここに雨や海水が触れると、水にとける成分がうばわれ、海水中や、地下水に溶け込んだり、川をくだって海に流れ込れこんだりします。水に溶けない成分も、長い時間をかけて、太陽光にさらさたり、風に削られたりして、岩や石、そして砂になっていきます。また、プレート活動による力が加わって地表自体も、大きく形を変え、場所によって大変な高低差ができたりします。こうして、地球の地表は、場所によって実にさまざまな表情をすることになり、もともと地中の奥深くにあった成分に、水や太陽光の作用が加わることによって、さらに多彩な成分が、地球の表面に広く分布することになったのです。 



このような幅広いミネラルの分布は、実は大気の成分にも影響します。火山活動が耐えない地球の大気には、噴火によって二酸化炭素が放出されます。この二酸化炭素の濃度が高くなると、温室効果といって、大気中に熱がこもりやすくなります。地球は、太陽光をあびることによっても、熱を受けていますから、温室効果が高まると、地球はどんどん熱くなってしまいます。しかし、地球の表面、陸地や海にミネラルがあるので、二酸化炭素がそこに結合し、ある程度、大気中から取り除かれるのです。
陸と海があることによって、ミネラルと二酸化炭素が出会う場が多くなり、大気中の二酸化炭素が適度な濃度に抑えられることで、灼熱の星にならずにすんでいるのです。二酸化炭素と結合したミネラルは、陸や海底で沈殿、堆積し、長い年月をかけ、いずれふたたびプレート活動に巻き込まれて、地殻活動へと戻されて行きます。
 


こうして地球は、存在する物質どうしの互いの作用により、一定の温度差をもちながらも、循環させ保持するしくみを叶えたのです。
このように、それぞれの成分は、形状や場所を変えながらも、全体の量はかわらないことを「動的平衡」といいます。
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※(1) 2014年現在のところ

参考:NHK高校講座 地学基礎(https://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/tv/chigakukiso/archive/chapter010.html)
 
  :Newton 生命に関する7大テーマ P.68,69

  :第4回 水と二酸化炭素の循環
  (http://www.cm.nitech.ac.jp/cho/earth_science/Lesson-04.pdf)