では、細胞はいつ、どうやって生まれたのでしょう。
すべての生物の基礎である細胞の誕生こそ、生命の起源につながるに違いありません。
原始地球で生成された物質は細胞になるまでに、どんな過程を経たのでしょうか。
現在、有力とされる仮説が、3つあります。

まず、科学反応を起こすための触媒となるタンパク質が最初に合成され、やがて生物になっていった、とするもの。これを「プロテイン・ワールド仮説」と呼んでいます。
 
次に、次世代に情報を引き継ぐデータをつくる物質となるもの、現在のDNAですが、その前身となるRNAが先に合成され、やがて生物になっていった、とするもの。これを「RNA・ワールド仮説」と呼びます。
 
また、上記の2つと同時期に、袋状の形質をもつ物質も生成されていて、そこにタンパク質やRNAなどが入って一体となったものが、やがて複雑化し、細胞になっていったのだ、とするもの。これを「リピッド・ワールド仮説」と呼んでいます。

様々な化学反応の結果、多くの物質が溶け込むスープのようだった、と考えられる当時の海では、上記のどの物質の合成も理論上、可能であることがわかっています。しかし、それぞれに欠点もあり、まだまだ多くの検証が必要です。
 


 
※(1)オパーリンは膜となるもの「コアセルベート」の生成が、細胞の起源につながる、と述べました。

上記の仮説のうち、現実味があるものを選ぼうと思えば、その過程が簡単であればあるほど、可能性が高まるわけです。
そういう観点で見ると、このうち、「リピッド・ワールド仮説」は非常に注目されています。
この仮説のベースは、先ほども登場したオパーリンが提唱したもの(1)が元になっています。 


 

参考:啓林館センター試験対策問題集のご案内(http://keirinkan.com/kori/kori_biology/kori_biology_2/contents/bi-2/3-bu/3-2-1.htm)
  Wikipedia:RNAワールド(http://ja.wikipedia.org/wiki/RNAワールド)

参考:Newton (ニュートン) 2010年 11月号 [雑誌]「生命誕生の謎」