細胞は誕生以降、すこしずつ増えて行くことになります。
こうしてにぎやかになった深海はやがて、細胞にとっては窮屈な環境になっていったのかもしれません。
すると、海底にばかりいないで、もうすこし上のほうまでいっても、活動を持続できるようなものも出てきたことでしょう。
どんどん数を増やし、存在圏を拡大していくと、やがては、海底から離れ、海面に近づくことになります。
ここに、新たな問題が発生しました。
海面に近づくと、太陽光が届くエリアに入ってきます。太陽光には、紫外線が含まれています。この紫外線は、分子構造を変えてしまう力があります。細胞は光にあたることで、細胞内にもつ物質が変性してしまい、こわれてしまうのです。太陽光の届くところまで行くことは、その細胞の破滅に繋がってしまうのです。
ここで、細胞の勢力拡大は止まるかのように思われました。

しかし、これもひとつの変革へのきっかけとなったのです。前述しましたが、細胞のもととなったものには、自分と同じものを複製して残す能力があったと考えられます。この複製する際に、自分のもつ情報もやはり複製します。
太陽光によって壊されていったものの情報は途絶えますが、太陽光をうまく避けられたものや、それによるリスクに抵抗できたものは残り、情報を残しました。太陽光による影響をうまくかわした細胞だけが海面付近では残る結果となり、やがてそれらが内包する情報には太陽の動きと関連する情報も残っていくことになりました。
実は、これが、今の私たちの体にも備わる「時計遺伝子」のもとになっているのではないか、と考えられています。

こうして、様々な条件を克服するごとに、細胞のもつ情報は増えていきました。また、生息域の拡大とともに細胞の種類も数も増えて行きました。

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参考:えれきてる 「睡眠 脳と身体に何が起こっているか」特集3.生物時計と睡眠(http://elekitel.jp/elekitel/special/2008/17/sp_03_a.htm)