学習と努力をいとわない人類は、その後も、生活を豊かにするために、多くの研究をし、医学、科学いずれも、まさに禁断の領域に達しようとしています。
そのなかには、私たちが決して望まない未来予測も、科学的な証拠をもって明らかにされています。
人類を死の恐怖から遠ざけることを大いに叶えてきた医学発展の一方で、地球科学は、その資源に限りがあることを証明しています。
人間は、この地球上で無限に増殖できる能力と手段を持ちながら、それを維持する資源は有限であることを知ってしまったのです。
増えることこそが、生物たる根源で、そこにこそ生きる喜びと目的があったはずなのに、何と言う事でしょう。私たちは、その方法と限界を、同時に見つけてしまったのです。

しかしながら、実は、この結果を導き出す前に、人類は、産業革命以降の大量生産、大量消費の生活に、様々な負があることはうすうす気づいていました。それでも、便利に豊かになっていく生活を味わい、様々なことを可能にしていく人類であることを誇りにさえ感じていたのです。小さなうしろめたさに気づかぬふりを通してきた人間が、その現実に目を向けざるを得なくなった大きな機会になったのは、PCB問題が起こった1960年代でしょう。夢の物質とまでいわれたPCBは、今や、悪夢の物質に変わり果てました。化学依存の、とにかく生み出す一方の産業社会に、「片付ける」能力のないことに気づき、疑問符が投げかけられたのです。

さらに、その現実を目の当たりにする後ろ側では人類の爆発的な増加が止まらず、気づけば、もはや大量生産、大量消費がなければ、人類は生きて行けない、後には引けない状態になっていました。
先には崖しかないのに、後ろ足は歩みを止めないムカデのように、私たちはこのまま資源を喰い尽くし、自ら自滅の道を歩まなければならないのでしょうか。
ムカデの頭は、今おおきく向きを変えなければいけない局面に立っているのです。それは、このような事態を招いた産業先進国すべての人々に課せられた緊急課題です。子や孫に託すのではなく、私たち自身が、いま、向きを変えなければなりません。

参考

環境省 PCB問題について
(https://www.env.go.jp/chemi/pcb2/06.html)

http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/L3_01.htm

http://www.scj.go.jp/omoshiro/nobel/muller/muller2.html