「ヒトの誕生と進化」に関するニュース,コラム
種の異なる人類が交雑し、現在の人類に繋がって行く
数万年前までは様々な人類が混在している時代だった
猿人からホモ・サピエンスへの過渡期に位置すると思われる化石が発見される
2015年3月、エチオピアで現生人類と同じ「ホモ(ヒト)属」に属すると思われる最古の化石を発見した、という研究論文が、アメリカの科学誌サイエンス(Science)に掲載されました。
今回発見された化石は約280万年前のものと推測されていて、これまでに発見されているヒト属化石の中では最も古いものになるそうです。
今回発見された化石は、私たち現生人類の直系祖先ではない、と分析されていますが、類人猿から別れ、猿人、原人、旧人、新人の順にたどる進化仮説に則れば、類人猿により近い猿人に分類され、かつ、早期の代表種だったのでは、と考えられているようです。
かつてはヒト属の種もたくさん誕生した、と考えられていますが、その多くが絶滅し、現在ヒト属の種はホモ・サピエンス1種であると考えられます。今回の化石は、ヒト属の種がどのくらいの期間で、どのように分岐していったのかを探る大きな手がかりとなりそうです。
参考:
AFP通信「ヒト属最古の化石、エチオピアで発見 人類起源解明の手掛かりに」(2015.03.05)