食べるはいつから 食べるはこれから 〜博物館から始まる食育〜

〜博物館から始まる食育〜 私たちにとって最も身近で重要な「食」。科学と歴史の知識を培いながら、何を、どれだけ、なぜ必要なのか、を深めていくと、生きるヒントがたくさん見つかります。日本国内のすぐれた博物館で、ぜひ触れてみましょう。

人類の誕生と進化

ジャングルの樹上生活に適応した霊長類には、やがて大型化したものも生まれます。
大型の霊長類のなかは、樹上から地上での生活を行うものもありました。時々二足歩行できるものも現れたと考えられています。このような大型の霊長類から、現在のオランウータンや、ゴリラ、チンパンジー、そして私たち人類に繋がる種が誕生しました。
したがって、オランウータンや、ゴリラ、チンパンジーなど、系統的にヒトに近い霊長類を「類人猿」と呼び、他のサルとは区別して研究していたりします。
約2000万年前にテナガザル科とヒト科が分岐したと考えられています。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A1%9E%E4%BA%BA%E7%8C%BF
 現生類人猿と人類の進化系統図(C.ストリンガー・P.アンドリュース著・馬場悠男・道方しのぶ訳「人類進化大全」悠書館・2012年より)

やがて、類人猿と共通する祖先から私たちヒトへと繋がる「猿人」が誕生し、類人猿と分岐した、と考えられています。最初の猿人がいつ、どのようにして誕生したかははっきりしていませんが、これまでに発見された化石の中で最も古い猿人として有力視されているのは、2001年にアフリカ中部のチャドの砂漠地帯で発見されたものです。種としては「サヘラントロプス・チャデンシス」と名付けられています。
サヘラントロプス・チャデンシスが、類人猿なのか、それとも猿人、つまりヒトに分類してよいのかは、いまだに議論されていますが、解析の結果、二足歩行は可能だったと推測されています。
これらの発見や研究から、ヒトとして分類される種が誕生したのは、800万年前よりもっと前に誕生していた、と考えられてはいます。しかし、ではそれが600万年前なのか、700万年前なのかは、解っていません。現在のところ、多くの書籍などの資料は、700万年前頃としているようです。



猿人には華奢型や頑丈型など、いくつかのタイプがあったと考えられていて、さらに多くの種が存在した、と考えられています。400〜200万年前くらいになると、猿人として最も有名な種の一つである「アウストラロピテクス」が登場します。
いくつかあるアウストラロピテクスのうちの後期の種の一つである「アウストラロピテクス・ガルヒ」は、加工まではしないまでも、石を道具として利用していた、と考えられています。



やがて、アウストラロピテクスの一種「アウストラロピテクス・ファレンシス」の集団の中から、すこし脳が大きいものが現れた、と考えられています。このような新たな種を「ホモ属」と呼んで、アウストラロピテクスなどの猿人とは区別した種として捉えられています。このホモ属に私たち、現生人類も含まれます。ホモ属がいつ誕生したのかについては、300万年前とか200万年前とか諸説ありますが、いまだはっきりとした結論には至っていません。しかし、ホモ属の初期の種のひとつとして考えられている「ホモ・ハビリス」は、240〜140万年前くらいに生存していた、と考えられています。



「アウストラロピテクス・セディバ」からホモ属が分岐した、とする説もあります。

やがて、「ホモ・エレクトス」という種も現れ、こちらはホモ・ハビリスよりも地上の生活により適応していた、と考えられています。このころ、地球の気候も変動していて、彼らが住むアフリカでも森林が減り、草原が拡大していった、と考えられています。ハビリスよりも、エレクトスのほうが、この変化に適応しやすかったと推測されています。さらに、果物などの植物食よりも肉食が増えるようになったと考えられ、獲物を追いながら生活していた、とも考えられています。移動しながら、暮らしているうち、やがてアフリカ大陸を出るものが現れました。ホモ属で、アフリカ大陸から最初に出たのは、ホモ・エレクトスだった、と考えられています。 また、各地に広がり、ジャワ原人や北京原人など、各地で化石として発見されるものも少なくありません。みな、ホモ・エレクトスから進化したものだと考えられています。



ホモ・エレクトスが活躍していたころから、生態系に変化が表れます。ホモ・エレクトスは非常に活動的で、よく食べたと考えられていて、生態系にも大きく影響したと考えられています。



アフリカから出たホモ・エレクトスは各地で適応し、ホモ・ネアンデルターレンシスなどの新たな種を分岐させていった、と考えられています。 一方、アフリカから出ずにいた別のホモ属もいました。そうしたホモ属の一種に 「ホモ・ハイデルベルゲンシス」があります。この集団から、私たちと同じ「ホモ・サピエンス」が分岐した、と考えられています。 ホモ・サピエンスも移動する生活を送りながら、やがてアフリカを出て、先に各地で適応していた他のホモ属とも出会いながら、交雑していった、と考えられています。そうして、現在の様々な人種の起源となっていった、と考えられています。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%A2%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9 

現在までに、人類の進化に関してはさまざまな説や意見がありますが、多くの支持を得ているのは、どの民族も人種も、そしてこれまでに生まれては滅んで行ったどのホモ属(ヒト科ヒト属のこと)も単一の起源から発生したものです。その後、さまざまに分岐し、各地で適応、進化しながら、再び出会うなどしながら、現在の人類の祖となっていった、と考えられています。

参考:別冊日経サイエンス馬場悠男 編「人間性の進化 700万年の軌跡をたどる」

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