食べるはいつから 食べるはこれから 〜博物館から始まる食育〜

〜博物館から始まる食育〜 私たちにとって最も身近で重要な「食」。科学と歴史の知識を培いながら、何を、どれだけ、なぜ必要なのか、を深めていくと、生きるヒントがたくさん見つかります。日本国内のすぐれた博物館で、ぜひ触れてみましょう。

宇宙と地球の誕生

まず、私たちが存在するこの宇宙は、どうやってできたのでしょう。
宇宙の始まりを、私たち人間は、だれも見たことがありません。それはそうです。だって私たち人間が生まれた地球自体が生まれるよりも、ずっとずっと前にすでに存在していたのですから。
目の前にある、毎日毎日の暮らしに精一杯の、多くの人間にとっては、まったく想像も、そもそも疑問にすら考えないような次元の話です。
でもでも、頭のいい人というのは昔からたくさんいて、現在までに、多くの研究者が、宇宙とはいったい何なのか、いつ、どんなものから始まり、作られたのか、そして、これからどうなるのか、を探求し、様々な仮説や理論を打ち立ててきました。

その中から、現在、主流とされている仮説に則って、ストーリー立てて見てみることにしましょう。


最初に、何があったのかは実は未だに謎です。
一つの説(1)では、それは「無」であった、としています。ところが、あるときから、それはそれは小さな「存在」が生まれては消える、ということがおきるようになりました。つまり、「無」ではなくなることがときどき起きた(2)のです。

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この小さな存在はほんとうに小さくて、私たちの目にも見えない程の小さな一点でした。今、私たちの周りにあるあらゆる物質の構成要素である「原子(3)」の大きさよりもまだ小さいもの(4)であった、ともいわれてます。
あるとき、この小さな一点が、消えずにあり続け、さらに急に膨らんで(5)、ものすごいエネルギーをもった火の玉になりました。
すると、この火の玉は、まるで爆発したみたいな勢いで一気に大きくなったのです。
これを「ビッグバン」と呼びます。
この大爆発こそが宇宙の始まりである、とする説を「ビッグバン」仮説といい、多くの実験やデータから、この現象が実際にあったのだ、と結論づけられています。
ビッグバンは、今からおよそ137億年前に起きた、とされています。

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※(1)量子物理学という分野です
※(2)「無のゆらぎ」といいます。
※(3)「原子」については、後でまた説明しますが、とにかく小さな小さな粒のようなものだと思ってください。
それは、まず私たちの肉眼では見ることはできない大きさで、高度な電子顕微鏡でやっと確認できるかどうかの、小さな小さなものですが、確かに存在し、この世のすべての物質を形作っています。 
※(4)NHKニュースの解説を参考
※(5)の現象は「インフレーション」とも呼ばれます。
参考:NHKニュース(2014.3.20)
   (財)科学技術広報財団 宇宙図(http://www.nao.ac.jp/study/uchuzu/univ02.html#chapt01)
引用:Ms.キュリアス「s[1000]-1:この広大な宇宙の始まりについて。」(http://mscurious.seesaa.net/article/392054881.html)

ビッグバンが起きて、まもなくのころの宇宙は、それはそれは、熱くて窮屈で、激しい世界でした。
でも、そのなかで、原子のもとになる素粒子(1)や、光が誕生しました。重力や、電気、磁気などの、私たちの身の回りにも存在する、「基本的な力」も生まれました。
少し経つと、素粒子が集まって水素やヘリウムなどの原子核(2)も誕生してきました。

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こうして、ビッグバンから、この世のすべての物体や現象の最も基礎となるものも生まれました。
しかも、この爆発の威力といったら、それはもう本当にとてつもないもので、その力が及んだところが、宇宙空間となっていったのです。

さて、では、このビッグバンという大爆発は、もうおさまったのか、というと、実はまだそうではないようなのです。
1929年、アメリカの学者ハッブルは、遠くにある天体ほど、早い速度で遠ざかっていることを発見しました。このことから、宇宙は今も拡大していることがわかったのです。
爆発自体は、137億年も前の、はるか遠い過去に起こったことですが、まだ、その膨脹は鎮まっていないのですね。


※(1)素粒子とは、原子を構成する陽子、中性子、電子などを指します。
現在では、研究がさらにすすみ、これらを構成するさらに小さな要素「クォーク」や「レプトン」などが物質構成要素の中で最も小さいレベルであるとされています。

※(2)どちらが先に、という論争がありますが、水素とヘリウムの構造は大変似ているので、ほぼ同時と考えられます。
しかし、相対的な量の違いとして、92%が水素、残り8%がヘリウムだった、とされています。

 
※補足
宇宙空間の拡大・縮小については、現在も観測が続けられており、多くの説があります。現在は、上記のように、まだ拡大している、という説のほうが支持されているようです。
宇宙の未来を推測する上で重要なポイントなので、今後も様々に論じられていくでしょう。

この他にも、宇宙全体の形は楕円形をしている、とか、チューブ状になっているとか、はたまた、私たちのいるこの宇宙の他にも多くの宇宙が存在し、今も新しく生まれたり、あるいは消え去っている、とか、宇宙についての様々な仮説は立てられていますが、はっきりしたことはまだまだ解っていません。


参考:国立科学博物館ホームページ
   宇宙図(http://www.nao.ac.jp/study/uchuzu/univ02.html#chapt08)
   NHK高校講座 基礎地学(https://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/tv/chigakukiso/archive/2013_chigakukiso_01.pdf)

熱くて窮屈な宇宙は、様々なものを生み出しながら、ぐんぐん膨脹していきましたが、やがてすこし熱が下がってきました。
ビッグバンから、38万年ほど経ったころ、ある温度まで下がったとき(1)、それまで別々だった電子と原子核が結合して、水素や、ヘリウム(2)の原子が誕生しました。また、空間にとびかっていた電子に進行を邪魔されていた光は自由に進むことができるようになり、このときにやっと、宇宙は遠くまで見渡せる世界になった(3)、と言われています。

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水素やヘリウムは、私たちも知っている物質の一つですね。最近では、水素で走る車があるし、ヘリウムはパーティなんかで使う声をかえるおもちゃに入っています。

水素とヘリウムの原子が誕生したあと、しばらくは宇宙に存在する原子としては、この2種類だけだった時期が続いたと考えられています。そのほとんどは水素でした。


宇宙空間に漂う原子どうしには、互いに引きつけ合う力(4)があって、くっつき始めました。いくつかくっついて、原子だったときよりも、安定していられる構造をとります。これを分子構造といいます。
さらに、分子が集まり、とくにたくさん集まった空間では、分子の量が濃くなり、ガスが漂ったようになります。ガスの内部では、分子と分子がより引きつけ合って、ガスはいよいよ濃い塊のようになります。
この塊のなかで、分子どうしのぶつかり合いは激しくなり、分子構造はこわれ、原子同士の反応が起こります。超高温、超高圧の状態となり、原子同士の反応は、原子核と原子核がぶつかりあいになります。この反応によって、ぶつかりあっていたもともとの原子核とは別の原子核が生まれてきます。この反応を「核融合反応(5)」といいます。


私たちの周りで、核融合の例を挙げるとすると、まず「太陽」をおいて他にはないでしょう。
太陽の正体とは、膨大な量のガスの塊の中で原子核どうしが激しくぶつかりあい、核融合反応をしている姿に他なりません。

ガスの塊、といっても、太陽は立派な星の一つですね。
宇宙で最初に生まれた星は、宇宙空間に漂っていた水素ガスが集まって、塊になり、それが核融合反応をはじめたことで、生まれました。つまり、この世で最初に生まれた星は、太陽のように熱く燃える星だったのです。


では、宇宙で最初の星の誕生を想像してみましょう。
ある日、宇宙にただよっていた水素原子がひきつけあって、水素分子をつくりました。さらに、それらが集まって水素のガスの塊ができ、その中央では、ガスの成分である水素分子が激しくぶつかり合って、やがて核融合反応が始まりました。
この反応はとてもはげしいもので、大変な熱を発します。ガスの中央が1000万度くらいになると、そこに明るく輝く星が誕生しました。宇宙で最初の星が誕生したのです。

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核融合反応をして、明るく輝く星を「恒星」と呼びます。
恒星の核融合反応では、水素がさらに重いヘリウムへと変化しますが、核融合反応が繰り返されるうち、ときどき新しい種類の原子も生まれました。

水素原子とヘリウム原子だけだった宇宙は、やがて多くの恒星を誕生させ、その内部でおきる核融合によって新しい原子の種類、すなわち元素を誕生させる、ということを繰り返し、すこしずつ原子の種類が増えて行ったのです。

ビッグバンから10億年ほど経ったころには、重い原子が誕生していた、と考えられています。
原子の種類は、現在までに百種類以上が、確認されています。(周期表では、118番のウンウンオクチウムが最後になっています)




※(1)現在の宇宙の1000分の1の大きさで、温度が3000K (絶対温度:ケルビン)になったとき。電子と原子核が一斉に結合して中性化し、光が直進できるようになって「宇宙の晴れ上がり」がおきたとされる。つまり、このときに、水素やヘリウムの原子が誕生し、光は物質から離れたのだ、とされています。1965年に発見された3K宇宙背景放射が、その証拠となっています。

※(2)水素とヘリウムの原子構造は非常に似ています。水素原子ができてから、あるいはヘリウム原子ができてから、という説明もありますが、ほぼ同時であったと考えられます。

※(3)宇宙の晴れ上がり、といいます。

※(4)重力によって引きつけられる、とされています。さらにこの重力には暗黒物質(ダークマター)という、まだ未知とされる物質の力も関わっているとされていて、この力はさらに、星どうしの作用にも関与していることが推測されています。ダークマターの存在は、私たちを含むすべての物質のなりたちに関わっていると考えられ、その解析や解明に多くの科学者が挑んでいます。

(5)核融合とは別に、核分裂という反応があります。核分裂といえば、原子力発電ですね。重い元素をつかって、その原子核が分裂する時のパワーを利用して発電するのが原子力発電です。この原子力発電は、いま、様々な問題をはらんでいて、各国でその利用について疑問視する声が絶えません。
それとは、反対に核融合もまた発電として利用できるのでは、と今研究されています。
NHK:サイエンスZERO 2014/05/18放送 「核融合」

 

参考:国立科学博物館ホームページ
   :さ・え・ら書房「人類の長い旅」
   :Wikiペディア
   :Jaxa宇宙航空研究開発機構 宇宙情報センターホームページ
   :宇宙図(http://www.nao.ac.jp/study/uchuzu/univ02.html#chapt08)

恒星は誕生した後、その成分による反応が続く間は星としてあり続けますが、反応がひととおり終わると、やがて消え行く運命にあります。大きな恒星がその命を終えるときは、超新星爆発という爆発を起こして、終わって行きます。また、小さな恒星が終わるときは、赤く大きくなった(1)後、ガスを吹き出し、その後、小さく白く(2)縮まってしまう、とされています。

宇宙のはじまりのころは、大きな恒星が誕生した、と考えられ、したがって、星が終わっていくときには、超新星爆発をして星のなかにあったものをまき散らしていったことでしょう。

恒星は、その内部で作り出した成分を、活動の過程で放出したり、最後の活動である超新星爆発によって飛び散らせていきます。
まき散らされた成分は、また新たにガスやチリ(3)となり、新たな宇宙の成分として漂ったかもしれません。
また、爆発で出た力も作用して、宇宙空間では、また新たな星の生成のきっかけとなっていったことでしょう。

星の死は、新たな星の誕生に繋がっているのです。

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ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた超新星残骸(おうし座のかに星雲) NASAESA, J. Hester and A. Loll (Arizona State University)

夜空に輝く星々をよく見ると、みなそれぞれに大きさも色も異なることがわかりますね。
実は星の色を分析すると、その星を構成する成分がわかり、また、その成分によっては、その星が古い時代のものなのか、新しい時代のものなのか(4)も、ある程度知ることができます。

星々の営みとは、すなわち宇宙に浮かぶ物質同士の作用の姿そのものなのです。宇宙では、この営みが繰り返され、これによって、また多くの新たな物質が生み出されて来たのです。




※(1)赤色巨星
※(2)白色矮星
※(3)ここでは、水素やヘリウムなど気体でいる成分をガス、炭素など個体でいる成分をチリ、としています。
※(4)宇宙のはじめのころは、水素とヘリウムだけだったので、この成分だけでできている星は古い時代にできた星だといえます。また重い元素を含む星ほど、新しい時代に生まれたと言えます。
段階としては、最初のころの宇宙を第一世代とよび、第4世代まであります。

参考:NHK高校講座 地学基礎(http://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/chigakukiso/archive/chapter002.html)

多くの星の誕生と死がくりかえされ、宇宙には、数多くの物質や天体が存在するようになっていきました。すると、存在する星どうしの関係性も生まれて来たのです。

広大な宇宙のなかには、均一に物質が存在しているのではなく、物質どうしが互いにひきつけあうことで、濃度の濃いところ、うすいところができます。星や星雲などの天体においてもそうで、星が集まった集団を「銀河」といいます。また、銀河と銀河も、引きつけ合います。小さい銀河は大きい銀河に引き寄せられて行きます。こうして、銀河があつまったものを、銀河群、さらに大きいものを銀河団(1)といいます。銀河団どうしもまた、間にほとんど何にもないところ(2)を置きながら、網の目状に配置され
ています。これを「銀河の大規模構造」といいます。このような宇宙構造を形成する要因のひとつに、「ダークマター(暗黒物質)」の存在と関与が推測されていますが、まだはっきりしたことは解っていません。

さて、ここまで、随分と簡単にご紹介しましたが、とにかく宇宙とは、ほんとうに気の遠くなるほど広大で、おそらく地球上で培った多くの概念がほとんど通用しない世界だといえるでしょう。その規模のなかで、私たち人間の姿など、ホコリにもカスミにさえならないのかもしれません。
この宇宙のなかで、私たちの存在をみつけるには、もっともっと小さな空間をもっともっと拡大して見なければ見つけることはできないのです。
 
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※(1)銀河の大きなグループを「銀河団」(直径:数千万光年ほど)、小さなグループを「銀河群」と呼びます。
このような物質を引きつける力の一つに「ダークマター」があるとされています。
未だにその存在も謎とされていますが、これがなければ説明できないこともたくさんあります。
銀河の構造にはこのダークマターが関係している、とされています。

※(2)超空洞(ボイド)とも呼ぶ



参考:国立科学博物館ホームページ
  :宇宙図(http://www.nao.ac.jp/study/uchuzu/univ02.html#chapt08)

さて、この広大な宇宙の構造の一角にある、銀河のひとつに、わたしたちのいる地球も存在します。
地球が属する銀河は、「天の川銀河」と呼ばれます。天の川銀河は約1000億個の星で構成されている、といいます。
さらに、その中の太陽を中心としたグループを「太陽系」と呼び、この太陽系を構成する惑星のひとつが地球です。

では、ここからは、地球をふくむ太陽系がどのように出来てきたかを見て行きましょう。

今から約46億年前のある日、天の川銀河の中に漂っていたガス(主に水素)が集まりだしました。ぐるぐると円を描くようにして互いを引きつけ合いながら、距離を縮め、集まっていき、やがて、その中央で小さな(1)恒星が生まれました。これが太陽です。

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太陽が出来た(2)あとも、周りにあつまってきていた物質は、そのまま太陽の周りを回りつづけました。できたばかりの太陽系は、太陽の周りを高温のガスやチリが取り囲み、円盤状に取り囲んで(3)回っているような状態だったのです。

これが太陽系の始まりです。ビッグバンによって宇宙が誕生してから、90億年ほどたったときの出来事です。

※(1)太陽は恒星としては小さなサイズです。
※(2)生まれたばかりの太陽を原始太陽といいます。
※(3)「原始太陽系円盤」といいます。



参考:国立科学博物館ホームページ
  :宇宙図(http://www.nao.ac.jp/study/uchuzu/univ02.html#chapt08)

   NHK高校講座 地学基礎(http://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/chigakukiso/archive/chapter003.html)

太陽のまわりをまわりがら取り囲んでいた物質同士は、衝突や合体を繰り返して、徐々に大きくなりました。
はじめは、小さな粒だったものが、だんだんと塊になっていったのです。塊どうしも衝突・合体を繰り返し、やがて直径が10キロほどにもなる大きな塊(1)になっていきました。
太陽の周りを回る、このような塊は無数に出来ました。これらはその大きさが大きくなるに従って、その衝突・合体もすさまじいものになってきました。衝突によってたくさんの熱が発生しましたし、その熱によって、塊どうしは溶け合い、さらに硬く大きく成長しました。また衝突によって砕け散ったかけらもまた漂い、他の塊とぶつかる、というようなことも絶えず起きていました。

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ぶつかり合いをくりかえすうち、大きく成長した塊も現れました。大きな塊は大きな重力や引力ももつようになり、それによってさらに小さな塊を引き寄せ、合体し、さらに大きくなっていきました。
こうして大きな塊はより巨大な塊へと成長していったのです。 

巨大な塊は、ある程度大きなサイズになると「惑星」と呼ばれる星になります。小さいものは小惑星、さらに小さなものは微惑星と呼んだりします。
現在、太陽系を構成する天体の中で惑星と呼ばれる星は、地球を含めて8個とされていますが、この状態になるまでには、太陽系内にあった大小さまざまな多くの星との衝突を繰り返して来た、と考えられています。
簡単にいえば、それは太陽系を構成する星々の最も安定した配置を目指す工程であったといえるのですが、それはもう、本当に激しくすさまじい攻防だったのです。

それを物語る一つの例として月の存在があります。
地球の衛星である月の成り立ちには諸説ありますが、地球と他の原始惑星との衝突によって生まれた、とする「ジャイアント・インパクト」説が、現在では最も有力であるとされています。
地球が衝突を繰り返しながら、大きく成長し、現在の大きさに近づいてきたころ、同じく太陽系にあったの別の天体、それも比較的大きなサイズで地球の半分くらいある惑星が地球に衝突しました。この衝突によって原始惑星は崩壊しましたが、地球も一部がくだけ飛び、自転軸が傾いてしまうほどの大きな衝撃を受けました。
この衝突で出た破片は、地球のまわりを囲みながらしばらく回っていました。やがて、それらは集合して、一つの星になりました。これが月です。
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NASAによる、ジャイアント・インパクトの想像図 


※(1)微惑星と呼んだりします。

参考:国立科学博物館ホームページ
   神奈川県立生命の星・地球博物館ホームページ
   月への招待状: 月のすべてがわかるDVD&Book インプレスジャパン 著: 村沢譲

ナショナルジオグラフィック「衝突による月形成の直接的証拠発見」
(http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20140606002)

太陽系の星々は、多くの衝突を繰り返し、現在の大きさへと成長していったのですが、太陽からの距離によって、その成分には差が出てきました。

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 左から、太陽、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星

太陽から近い惑星においては、太陽から受ける熱のせいで、軽いガス成分が吹き飛ばされ、重い成分で構成される岩石タイプの惑星となりました。太陽に近い水星、金星、地球、火星などは、このタイプの惑星です。

吹き飛んで行ったガス成分は、太陽から遠い位置にある惑星の成分となりました。木星、土星、天王星、海王星などは大きい惑星ですが、多くのガスをまとって出来ているのです。

さて、岩石タイプの惑星である地球は、とめどなく繰り返される衝突によって熱せられ、たびたび真っ赤に溶けました。とくに、月を誕生させたジャイアント・インパクトの衝撃は計り知れないほど大きく、地球は灼熱の星となりました。

しかし、その時点で、すでに大きく成長していた地球は、熱によって発生した水蒸気や二酸化炭素などの気体成分を大気としてひきつけておくことが出来ました。すると発生した熱がこもったままになり、地球はドロドロの熱いマグマで表面を覆われた激しい姿の星になったのです。地球は奥深くまで溶け、中心部に核ができました。

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参考:Wikiペディア http://ja.wikipedia.org/wiki/ジャイアント・インパクト説
   Jaxa宇宙航空研究開発機構 宇宙情報センターホームページ(http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/birth_of_moon.html)
  NHK高校講座 地学基礎(https://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/tv/chigakukiso/archive/chapter010.html)

やがて、激しかった衝突が少しおさまる時があるようになりました。すると、新たな熱の発生がおさまり、地球の表面の温度が少し下がってきました。ドロドロだったマグマの表面が冷えて固まり、地表があらわれるようになったのです。熱かった大気も冷め、含まれていた水蒸気(1)が水になり、雨となって地表にふり注ぎました。ふった雨は地表にたまり、小さな海になりました。

Image Credit: Simone Marchi(NASAホームページにリンク)
 
しかし、この状態は長く続きませんでした。頻度は減ったものの、大きな天体の衝突は、まだその後もあったために、地球はまた灼熱の星になることがあったのです。地表はふたたび熱く溶け、海の水も水蒸気にかわり、大気となってしまいました。このようなことがたびたび繰り返されていた、と考えられています。

やがて、太陽系内の星の淘汰がほぼ終わり、天体の衝突の頻度がおさまるに従って、地球の温度は前よりももっと下がることになりました。ふたたび固まった地表は厚さ100kmにもおよぶプレート状になって地球表面を覆い、さらにその上には、大量の雨がふり、水はたまって海になりました。また、地表を覆うプレートの下では熱いマグマが活動しています。マグマは時折プレートを突き破って地上に吹き出しました。これが火山活動です。

こうして、地球はだんだん安定した表情をもった星になってきましたが、それでも、今よりもずっと恐ろしい世界でした。火山活動で絶えず噴火がおきていたし、数は減ったものの隕石の落下も続いていました。
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※(1)水分子の生成には、地球に衝突してきた天体が運んできた成分が関わっている、と考えられています。
それは、水そのものであったとも、あるいは地球にある成分に作用し水分子を作らせる作用をもつものであった、とも考えられています。
私たちは、とかく水の生成こそが地球の特徴であると考えがちですが、実は水分子、すなわちH2O分子の合成は、地球以外でも起きることです。



参考:NHK高校講座 地学基礎(https://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/tv/chigakukiso/archive/2013_chigakukiso_10.pdf)

ところで、皆さんは宇宙から地球をみた姿を、本やテレビなどで一度は見たことがあるでしょう。海の部分は青、そして、雲がかかっていたり、氷で覆われているところは白、陸地には茶色と緑が混在した、実に美しい星です。なかでも、強い青の色は、他の星にはない大きな特徴だと言えるでしょう。このように現在も多くの水を液体の状態で保持している星は、太陽系においては、地球だけ(1)です。

実は、地球以外でも、海の痕跡をもつ惑星はあります。しかし、星が海をもち続けるには、多くの条件が必要で、この条件が成立しなければ、一時的に海が形成されても、結果的には水を保持し続けられず、宇宙空間へと奪われてしまいます。

地球が他の星と違ってもっていた条件とは、この水分子を大量に作るだけの材料があったことと、さらに液体の状態でいる水を捉えていられる条件が揃っていたことが挙げられます。具体的に挙げれば、それは太陽との距離や、地球のもつ温度や質量など、地球特有の様々な条件です。

これらの条件によって、液体でいる水は地表にたまり、また蒸発した水は気体となって大気中にあがり、大気の上部で冷やされると、また液体の水にもどって雨になって地表におちる、という、常に水を保持し、循環する地球環境が出来たのです。


さらに、地球は水だけでなく、多くの物質をダイナミックに循環させるシステムも持っています。それは、海から覗く陸地の存在によって成立しています。
陸は、もともとは地球の内部で活動するマグマが火山活動で地表に現れ、冷やされたものです。地球は岩石タイプの惑星であって、鉱物をはじめとする多くの成分のかたまりですから、地表として表れた部分にも多くの成分が含まれています。ここに雨や海水が触れると、水にとける成分がうばわれ、海水中や、地下水に溶け込んだり、川をくだって海に流れ込れこんだりします。水に溶けない成分も、長い時間をかけて、太陽光にさらさたり、風に削られたりして、岩や石、そして砂になっていきます。また、プレート活動による力が加わって地表自体も、大きく形を変え、場所によって大変な高低差ができたりします。こうして、地球の地表は、場所によって実にさまざまな表情をすることになり、もともと地中の奥深くにあった成分に、水や太陽光の作用が加わることによって、さらに多彩な成分が、地球の表面に広く分布することになったのです。 



このような幅広いミネラルの分布は、実は大気の成分にも影響します。火山活動が耐えない地球の大気には、噴火によって二酸化炭素が放出されます。この二酸化炭素の濃度が高くなると、温室効果といって、大気中に熱がこもりやすくなります。地球は、太陽光をあびることによっても、熱を受けていますから、温室効果が高まると、地球はどんどん熱くなってしまいます。しかし、地球の表面、陸地や海にミネラルがあるので、二酸化炭素がそこに結合し、ある程度、大気中から取り除かれるのです。
陸と海があることによって、ミネラルと二酸化炭素が出会う場が多くなり、大気中の二酸化炭素が適度な濃度に抑えられることで、灼熱の星にならずにすんでいるのです。二酸化炭素と結合したミネラルは、陸や海底で沈殿、堆積し、長い年月をかけ、いずれふたたびプレート活動に巻き込まれて、地殻活動へと戻されて行きます。
 


こうして地球は、存在する物質どうしの互いの作用により、一定の温度差をもちながらも、循環させ保持するしくみを叶えたのです。
このように、それぞれの成分は、形状や場所を変えながらも、全体の量はかわらないことを「動的平衡」といいます。
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※(1) 2014年現在のところ

参考:NHK高校講座 地学基礎(https://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/tv/chigakukiso/archive/chapter010.html)
 
  :Newton 生命に関する7大テーマ P.68,69

  :第4回 水と二酸化炭素の循環
  (http://www.cm.nitech.ac.jp/cho/earth_science/Lesson-04.pdf)

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