食べるはいつから 食べるはこれから 〜博物館から始まる食育〜

〜博物館から始まる食育〜 私たちにとって最も身近で重要な「食」。科学と歴史の知識を培いながら、何を、どれだけ、なぜ必要なのか、を深めていくと、生きるヒントがたくさん見つかります。日本国内のすぐれた博物館で、ぜひ触れてみましょう。

ニュース&コラム

日本の縄文時代の代表的な遺跡として青森市の三内丸山遺跡があります。約5900年前から1600年ほど続いたとされる集落の痕跡ですが、最盛期には数百人が暮らしたとも考えられ、縄文時代では最大級の規模です。
この集落の歴史を調べると、人口が急激に減った時期があることがわかり、その原因は気候変動ではないかと推測されていました。しかし、ある研究者は、気候変動の前に人口減少が始まっている、として、その原因は食生活が偏ったせいで、大きな環境変動にさしかかる前に影響を受けたのではないか、と考えているそうです。

遺跡から出土する土器や石器から、当時の人々がクリやトチなどの木の実を中心に食べていたのがわかるそうで、このころすでに、太古から行われていた狩猟主体の生活から、採集の生活になっていたと考えられます。炭水化物中心の食生活は植物に依存することになり、木の実などの限られた品種の植物の実りに頼っていたとすれば、収穫は気候条件に大きく依存することになります。わずかな環境の変化で、収穫量は大きく変動したことでしょう。凶作の年の影響をもろに受け、三内丸山の人々は大きく人口を減らしたのかもしれません。縄文の人々がどのようにして生き抜いたのか、気になるところです。

また、このような食の単一化が、ヒトの健康や社会に与える影響についても、この研究から得られるヒントは多そうです。 

京都新聞、Yahoo!ニュース(2016.04.24)

約138億年前におきたビッグバンによって宇宙が誕生した後、初期のころの星や銀河が誕生しますが、その当時は、それらが放つ光が自由に進めなかったと考えられ、現在の望遠鏡による観測ができないことから「暗黒時代」と呼んだりします。この「暗黒時代」が、約5億5000万年後まで続いた可能性が高いと、国際研究チームが7日までに発表しました。
これは、欧州宇宙機関(ESA)の天文衛星プランクが観測した成果で、アメリカの衛星WMAPの観測に基づくこれまでの定説の時期よりも、1億年ほど後になります。

現在のように、星が輝くようになったのは、宇宙誕生から5.5億年もたった後のことだったのかもしれません。

参考:
Yahoo!ニュース、時事通信、朝日新聞デジタル (2015.02.07)
 
 

海に流されたゴミ、たとえばゴム製のものなどが体に絡み、身動きが取れなくなっている生物の姿を、テレビを見る人なら一度は見た事があるでしょう。人間の手を離れたゴミが、生物の命を脅かしていることは、今や誰しも認識していることだと思います。

プラスチックは比較的安定した素材ですが、しかし、炎天下や、あるいは塩分濃度の高い海水内では、劣化が早まります。海に放たれたプラスチック製品は、やがて製造された際の姿を留めなくなり、粉々に細かくなっていきます。最終的にはプランクトンと同じレベルのサイズにまで小さくなるといわれており、これを海洋生物がエサと一緒に体内に取り込んでしまうと考えられています。

大きなゴミであれば、海洋で生物の命を脅かすところで終わっていたものが、小さなプラスチックゴミは生態系の中に自然に取り込まれ、濃縮され、やがては人間の食生活にもあがってくる可能性があるのです。小さなプラスチックゴミから出る化学物質が魚の体に濃縮され、それを食べることによって人間の健康を脅かすようにでもなれば、私たちは遠洋で取られた魚を口にすることができなくなるのです。

生活製品のほとんどにプラスチック材が氾濫する現代社会で、今後、どのようにプラスチックを減らし、また管理するのか。温暖化抑止とともに、急がれる課題です。

資料番号:[EN_ELT_3] 

米医学誌ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)で、深刻な栄養失調に陥っている子供に、抗生物質を投与しても効果がうすいことがわかった、という調査結果に関する論文が掲載されました。

ニジェールで栄養失調状態にある生後6か月~5歳までの子ども約2400人を対象に行われた研究の結果、栄養状態が改善していない状態で、抗生物質を投与したグループと抗生物質を投与しなかったグループでの効果の違いをみたところ、効果に差がほぼなかった、というものです。
ちなみに、この研究において、8週間の調査期間中に食欲が戻り、WHOが定める体重身長比が示されたケースを「回復」と定義した、としています。

1999年、WHOは飢餓状態にある子供たちの生命を守るためには、抗生物質を投与すべきであると勧告していますが、今後は他の様々な統計や調査結果も踏まえた上で、抗生物質などの薬剤よりも、まず先に栄養改善を優先させるなど、すこし対策を変えていく必要があるのかもしれません。

近年、日本でも、過剰な抗生物質投与に関しては、だいぶ見直されつつあります。抗生物質の利点と欠点をよく理解した上で使用する必要があることを患者側も認識しはじめたところでしょう。
このニュースでは、極度の栄養飢餓状態にある地域での調査結果であるため、必ずしも日本の条件に合わないかもしれませんが、薬の使用には、それを活かせる代謝能力があったほうが効果的であることは想像できます。

生きる力は、薬からではなく、やはり食べ物からしか得られないのかもしれません。

参考:AFP通信(http://www.afpbb.com/articles/-/3075724)
資料番号:[EN_ELT_2] 

2016年02月03日AFP通信のニュース(http://www.afpbb.com/articles/-/3075563)によると
「プランクトンからホモ・サピエンスまで、すべての動植物は、24時間周期の体内時計を持っていることがこれまでの研究ではわかっている。だが、このいわゆるサーカディアンリズムのなかでも、ヒトを含むいくつか生物では、昼または夜に対する自然な選好が個体ごとに存在する可能性がある。
~中間省略~
英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された同研究論文によると、健康で朝の方が調子が良いと回答した人には、特定の遺伝子変異十数個以上との明確な関連が示された。」
と報じています。 

このニュースでは、早起き型の人では、不眠症など睡眠にまつわる問題に悩むケースが少なく、また、夜行型の人と比べて、うつになりにくい傾向にあった、としています。さらに、早起き型はBMI(肥満指数)も低く、一般的な指標における健康度が高い、とみられている、ともしています。

総合して、いわゆる体質的なものの最もベースとなる部分は遺伝子の働きに起因するので、結果的に朝型人間か夜型人間かということについても、遺伝子が決定している、と言えるのは、そう驚くことではない気がしますが。。
しかし、体質のようになってしまうものの中には、必ずしも遺伝的要因からではなく、生活習慣などの後天的な要素で導かれることも多々ありますので、一概に朝型夜型が遺伝子によって決められている、と考えるのはあまりにもお粗末でしょう。
この先さらに研究されて、もっと根源的な、たとえば光と体内時計の同期のとり方などに個人差があって、その遺伝子の辿って来たルートなどが解れば、より神秘的でおもしろくなる話のように思います。
 
文:Ms.キュリアス

参考資料No:[EN_ELT_1] 

2015年3月、エチオピアで現生人類と同じ「ホモ(ヒト)属」に属すると思われる最古の化石を発見した、という研究論文が、アメリカの科学誌サイエンス(Science)に掲載されました。

今回発見された化石は約280万年前のものと推測されていて、これまでに発見されているヒト属化石の中では最も古いものになるそうです。

今回発見された化石は、私たち現生人類の直系祖先ではない、と分析されていますが、類人猿から別れ、猿人、原人、旧人、新人の順にたどる進化仮説に則れば、類人猿により近い猿人に分類され、かつ、早期の代表種だったのでは、と考えられているようです。

かつてはヒト属の種もたくさん誕生した、と考えられていますが、その多くが絶滅し、現在ヒト属の種はホモ・サピエンス1種であると考えられます。今回の化石は、ヒト属の種がどのくらいの期間で、どのように分岐していったのかを探る大きな手がかりとなりそうです。

参考:
AFP通信「ヒト属最古の化石、エチオピアで発見 人類起源解明の手掛かりに」(2015.03.05) 

これまで観測された星のなかで最も古いとされる星は、オーストラリア国立大学の天文学者らによって発見され、「SMSS J031300.36―670829.3」と名付けられた星です。
この星は約136億年前に誕生したとみられ、それまで観測史上最古とされていた132億年前の恒星からさらに4億年もさかのぼった時代、宇宙誕生(ビッグバン)の後、間もなく誕生した、と考えられているのです。しかも、この星は、私たちの住む地球と同じ銀河系に存在し、約6000光年ほど離れた、宇宙のなかでも『ご近所』の位置にあることがわかっています。

136億年前に誕生した、ということは、宇宙のほとんどの歴史をみてきた、たいへん長生きな星だということになります。しかも、宇宙の初期に誕生した星の大半はすでに大爆発を起こして死んでいったと考えられていますから、大変珍しく貴重な存在だとも言えます。こんな星が、比較的若いと考えられている銀河系にあったのですね。

参考:
CNN 「136億年前に誕生した「最古の星」、銀河系に 豪チーム」(2014.02.13)

2014年4月、アメリカのオンライン科学誌プロスワンに「陸生草食動物の最古の祖先とされる動物の3億年前の化石を発見した」との研究論文が発表されました。

恐竜もそうですが、動物においても 、先に肉食として誕生し、進化に伴って、草食を可能とする種が誕生した、と考えられています。

今回の発表は動物に関するもので、恐竜が栄える時代よりも前に生息していた単弓類エオカセアの骨格に、基本的には肉食でありながら、草食に近かったであろうと推測される特徴を骨格に確認できるということです。

肉食では、他の生物や、あるいは共食い、昆虫などを食べることになり、狩りをすることになりますが、草食では、動かない植物を食糧にすることができ、効率的だと言えます。単弓類は、その後、ほ乳類の誕生にも関わっていると考えられ、草食動物の誕生は今にみるほ乳類の食物連鎖の形成にも関わって来ると考えられます。

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